12.5数学を勉強する意味と理由

更新日 2021年6月27日




私は学生時代は数学をやる意味が分からなかったですが、働き始めてから数学の重要性を理解しました。


数学は課題を解くという訓練です。
仕事も課題を解くという点では同じです。

シンプルに言うと数学ができる人は、仕事ができる人が多いということです。
(もちろん、数学だけできればいいわけではないので、そこは誤解のないようにお願いします)

結果的に年収も高くなると期待できます。



なぜほぼ全ての医学部で直接的な知識として必要になる「生物」ではなく「数学」が受験科目に設定されていると思いますか?

それは患者の治療というプロセスが、数学の問題を解くというプロセスと似ているからです。



数学を通して、典型問題の解法を貯めたり、アプローチの試行錯誤をする訓練をしているわけです。

数学のような綺麗に整理された論理の世界で問題を解けない人は、不確定要素を含む医療の世界の問題を解くのは相当苦労するはずです。

問題を正しく把握できない、適切な治療法を選べない、治療を最後まで遂行できない、治療の効果があるか経過観察して治療の方向性を修正できない、そんな医者は嫌ですよね?

だから、医学部では、生物ではなく数学が必修になっています。

ここまでの話を聞いて、数学ができない医者に自分や家族を治療してもらいたいと思いますか?



医療以外の世界でも、社会人になると仕事/生活でたくさんの課題に出会います。

仕事の課題で言えば、
・どんな商品を開発するか?
・営業成績をどう上げるか?
・どうやって費用を削減するか?
・若手をどうやって育てるか?

日常生活の課題で言えば
・どの保険に入ろうか?
・クレジットカードは何にする?
・住宅ローンは何年で組むか?
・車をどうやって売るか?


数学を通して、課題を論理的に解く訓練をしていると、 仕事/生活の課題に対しても適切に対処できます。


事実として、社会人2~3年目で年収1000~1500万円を超えるような外資系金融や外資系コンサルティング業界では、数学ができる理系の学生を求める傾向が強いです(ちなみに日本の全年齢帯の会社員の平均年収は441万円)。

数学ができる人は複雑な課題でも、適切に理解して、対処して、解決してくれるからです。

実力主義と言われる外資系では、そういう学生には1500万円払ってでも来てもらいたいわけです。


また数学に必須である「一つのエッセンスを他の問題に活かす」という能力も大いに活かされます。

例えば、メーカー系のプロジェクトで学んだ知見を、金融系のプロジェクトにも共通点を見出し、活かすというイメージです。

これができるかできないかで成長の速度が何倍にも変わってきます。


私の体感としても、高校で数学をやってきた同僚はとても頼りになる、という確かな感覚があります。

彼らは仕事でも「なぜその結論がいいと思うか?」をちゃんと説明してくれるので、必要な前提だけをしっかり伝えれば後は信頼して任せてもいいな、と思えます。



「数学は意味ない」なんて切り捨てずに、「課題を解く訓練だ」「社会人になったときに大きな差がつくぞ」と思って取り組んでみてはどうでしょうか?